「なんでアイツはあんな理解力がないんだ!」
「この前言ったじゃん!あんた全然人の話聞いてないよね」
「なんかいつもあの人とは話が続かないんだよなぁ。」
「人と話してると、よく相手を不機嫌にしてしまう。なんか気に障るようなこと言ってるのかなぁ?」
このように相手とのコミュニケーションをとる際に、他責にしたり自責にしたりしてしまうことありませんか?
それは相手に話を聞く体制がなかった、または話を聞かせる体制をつくることができていなかったのかもしれません。
そして相手がちゃんと聞いてくれなかったことを責めても意味がありません。
それより自分が相手と『どう接するか』を考えた方が圧倒的に簡単です。
NLPでは相手との距離を縮める方法の一つとして『ラポール』というスキルを活用します。
元々『ラポール』という言葉はフランス語で、橋を架けるとか架け橋という意味があります。
一言で言うと、信頼関係を築くというこいうことです。
「NLPの前提」でもお伝えしましたが、『クライアントからの抵抗は、ラポールが不足しているということ』は、20世紀最大の心理療法家であるミルトン・エリクソン氏が唱えた言葉が元になっております。
ようするに、話し手が相手との信頼関係を築けていないだけと言っているのです。
では、具体的な内容をお伝えしていきます。
ペーシング
相手とのペースを合わせることです。
声の大きさ、声の高さ、話のテンポ、話すスピード、抑揚、話の間、呼吸の速さ、まばたきなどを観察し、合わせていきます。
相手が小声で囁くように話してしているのに対して、こちらがハイテンションで話してたら相手は「自分と違うタイプで話しにくいな」って思ってしまうかもしれません。
相手のペースに合わせることで「同じペースの仲間だ」と思わせることで、一体性を高めていきます。
バックトラッキング
相手の言ったことに対してオウム返しをすることです。
相手が伝えたいキーワードに対して同じ言葉をそのまま返していきます。
相手が「今日暑いね~」と言ったなら「暑いね~」とそのまま返します。
ただし、話にストーリーが場合は、その度にオウム返ししては逆効果になってしまうので、その間は「うん、うん」「へぇ」など相槌をうちながら、話し終わった後にまとめてオウム返しをします。
例えば、
「今日嫁さんのつきあいでショッピングモール買い物行ってたんだけど、芸能人の〇〇ちゃんがテレビの撮影で来てたんだよ!テレビでもカワイイなぁって思ってたけど、実物はやっぱ違うね!スタイルいいし。めっちゃ可愛かったよ!」
この場合だと、話し手は芸能人の〇〇が来てたこと、可愛かったことを伝えたがってますので、「〇〇ちゃん撮影で来てたんだ!実物はやっぱりスタイルいいし、可愛いんだね!」と、伝えたいことをそのまま返します。
これが「へぇ、よかったね」だけじゃ「なんかオレだけ浮かれてバカみたいだな」って思うかもしれないし、「嫁さんの買い物つきあってたんだー、えらいね!」とかでは
「え?オレの話聞いてた?」って状態になりかねません。
なので、キーワードを逃さず要約してオウム返しをすることです。
マッチング&ミラーリング
相手の仕草や態度、動きを合わせることです。
手の動きや、リズム、感情の動き、姿勢、椅子の座り方、身体の重心、ジェスチャーなどをまねていきます。
ただし、これもやりすぎると逆効果になる可能性もあるので、時々織り交ぜていきます。
相手と同じ仕草をすることで「同じ仕草をする仲間だ」と思わせることで、一体性を高めていきます。
まとめ
お伝えした内容からわかるように、相手に合わせるまたはマネることで相手との信頼関係を築いていくのがこの『ラポール』というスキルです。
17世紀 ドイツ人医師であり、動物磁気の提案者 メスメル氏の言葉に、
「治療への道が開けるには、まず自分と患者の交流(ラポール)すなわち、波長合わせが必要だ」
と説いております。
相手との話がうまくいかくて他責にしている、または自責しているというのであれば、まずはこの『ラポール』から試してみませんか?