職場や家庭、親戚、近隣の人づきあい、友人関係、もしくは恋人との間でなにかしら悩んでませんか?
おそらく「そんなこと全くないよ」って人はごく稀なのではないでしょうか。
しかし、どうしても他責または自責にしてしまう。
そこで『NLP』というコミュニケーション心理学についてお話していきたいと思います。
『NLP』とは、1970年代にアメリカの学者たちの研究により生まれた、コミュニケーション心理学と呼ばれるものです。
「脳の取扱説明書」とも言われており、脳の持つ機能や特性を知ることで自分自身の持てる力を呼び起こすことができるのです。
『NLP』には「NLPの前提」と呼ばれる15の項目があります。
これはいかに自分が他人とどう向き合うべきかが述べられています。
細かいテクニックはまた追ってお伝えしていきたいと思いますが、この「NLPの前提」というものはテクニックの集合体になります。
よって、この前提を理解することで活用の場が一気に広がります。
それでは一つづつ解説をしていきたいと思います。
1.行動と変化は、コンテクスト(状況)とエコロジー(周囲の配慮・TPO)で評価されるもの。
状況が変われば求められる行動や言動は変わる。
自分では無駄な努力・欠点だと思っていた部分が、場所・環境が変われば有益に働くこともある。
常に周囲とのバランスの中で人の価値は変わっていく。
2.クライアント(相手)からの抵抗は、ラポール(信頼関係)が不足しているということ。
(反抗的なクライアント(相手)はいない。あるのは、柔軟性を欠いたコミュニケーター(伝える側)だけ。効果的なコミュニケーターは、提示されたすべてのコミュニケーションを受けいれ、活用する)
「アイツ全然言うこと聞かない」「話を聞こうとしてくれない」
これは相手との信頼関係を築けていないということ。
自分が相手の心を開かせることができていないだけと認識し、自ら歩み寄る姿勢でいること。
柔軟性をもって、そこにある全てのものを活用することが大事。
3.その人の行動がその人自身ではない。
「罪を憎んで、人を憎まず」
問題ある行動を起こしたとしても、その行動がその人のすべてを象徴しているわけではない。
見る角度を変えれば、素晴らしい一面を持っていたりするもの。
本人にとって最善の方法をとっているだけなのかもしれない。
4.人は持てる限りのリソース(資源・能力)を使ってベストを尽くしている。
(行動は適応するためのちょうせいであり、今とっている行動はとりうる最善の選択である。すべての行動は、肯定的意図が動機となっている)
人の行動は常に自分の置かれている状況に適応するために行われている。
一見マイナスな行動であっても、無意識の中で最善の方法をとっている。
すべての行動には、本人が意図しない肯定的意図が含まれている。
(ここでいう「肯定的意図」とは「安全」「安心」の事。無意識の中で「安全」「安心」を得るために、マイナスな行動や感情でも「ツール」として活用している)
5.問題・制限とはチャンスである。
一見問題だと思うことでも、見方や捉え方を変えれば案外大したことではなかったりする。むしろ問題や障害は次のステップにいく、大きく飛躍するチャンスと捉える。
6.行動をキャリブレート(観察)する。
その人に関する最も重要な情報は、その人の行動から得られる。
そのひとの思考や感情は、言葉よりも行動や態度に現れる。
時には言葉と態度が一致しないときがある。
その辺をしっかり観察することで、その人の心にある隠された本心や、無意識にある情報を汲み取ることができる。
7.地図(マップ)は領土(テリトリー)ではない。
(私たちが使う言葉は、それが象徴している出来事や事象ではない)
人それぞれ考え方や捉え方は違う。
なぜなら、人それぞれ育ってきた環境が違うから、経験してきたことが違えば価値観も違ってくる。よって自分の経験や思い込み、価値観によってつくりあげた世界があるが、その世界は千差万別。
人によって違うということを認識すること。
8.あなたの心/精神を管理しているのはあなた、よってその結果もあなたの責任である。
(私の心/精神を管理しているのも私、よってその結果も私の責任である)
笑おうが泣こうが怒ろうがすべて自分が選択していること。
その結果どのような結果になろうとも、それはあなた(私)自身の責任である。
どんなに人のせいにしても、結局責任をとるのはあなた(私)しかいない。
9.心と身体は一つのシステムである。
(心と身体は相互に作用し、影響を与え合う。一方に影響を与えないで、もう一方を変えることはできない。考え方が変われば身体(行動)も変わる。行動が変われば考え方や感情も変わる)
心と身体は連動している。
泣きながらスキップはできない。
身体に不調が出たということは、心にも不調が出ているのかもしれない。
10.人は、成功するために必要なリソース(資源・能力)をすべて持ち合わせている。
(リソースを持たない人はいない、リソースの足らないステート(状態)があるだけ)
人は成功するための資源(能力・スキル)を持ち合わせている。
能力やスキルがないという人は、自分が内に秘めている資源に気づいていないだけ。
いかにそれを引き出し、磨いていくか。
11.全てのプロセス(過程)は、一体性を高めるためにある。
一体性とは、自分自身、家族や友人、会社や社会、国や世界との一致感。
その一致感を高めるためにすべてのプロセスがある。
12.フィードバックがあるだけ!
(失敗はない、フィードバックがあるだけ)
フィードバックとは、その人の行動の結果に対して評価し、その人に伝え返すこと。
エジソンの言葉に「失敗ではない。9999回のうまくいかない方法を発見しただけだ」とある。
「失敗」ではなく「うまくいかなかった方法を見つけた」と解釈すること。
13.相手の反応が、あなたのコミュニケーションの成果である。
あなたがどんなに丁寧に、親身になって話したとしても、相手が受け取った認識があなたの成果である。
自分の思いが伝わらなかったのは、相手の理解力ではなくあなたのコミュニケーション能力と捉える。
重要なのは、あなたが相手に「何を伝えたか」というより、相手に「何が伝わったか」ということ。
14.必須多様性の法則:最も柔軟(フレキシブル)な行動をとることができる人/システムがシステムをコントロールすることができる。
柔軟にいかに対応できるかということ。
立場や場所、環境が変わることで、人によって視点や価値観は変わってくる。
ならば、いかに自分が柔軟に物事を捉えることができるかが肝になる。
そのことで選択肢や可能性を広げることができる。
15.すべてのプロセスは、選択肢を広げるようにデザインされるべきである。
あらゆる局面にて、選択肢をいかに広げることができるか。
正解は一つとは限らない。
いろんな角度から物事をみつめる。
多くの選択肢を持つことで得られる答えが違ってくる。
以上が、『NLPの前提』と呼ばれるものです。
上記の事からわかるように、他人を変えようとするのではなく、自分の柔軟性を養うことで他者とのコミュニケーションを円滑にしていきましょうというのがスキルの前提としてあります。
他人を変えることはとても難しい。
ならば、自分が変われば物事をみつめる視野も変わり、人生も生きやすくなるのではないでしょうか。